先史時代の食物について 4
文明のるつぼの中から新しい技術が生まれると、それは人間の世代から世代へと、また無数の道をたどって、未開の地に浸透していきます。
地中海の東に栄えた古代文明も、農耕の体験や知識を一握りの作物の種子に託して、しだいに北欧の土に及んできました。
ここでは、北欧デンマークに住んでいた3人の男について語りましょう。
ローマの提督カエサルは、前58年から52年にかけて、ローマ北辺の地の征服の記録を『ガルリヤ戦記』に著わしました。
そこには、彼が知った、当時のゲルマニア地方の人々について、次のように記しています。
「彼らは、個人に属する土地を持たない、また一年以上、定まった場所に留まることをしない。
穀物は乏しく、おもに、乳と家畜、そして最も多くの食物を狩猟に頼っている。
そのような食物、日頃の訓練、義務や作法になじまず、気にいらぬことはしない幼少の頃からの自由奔放な生活は、彼らに逞しさと頑健な体躯を与えている。
また、いつも何も着ないで耐えるように鍛えられている。
厳寒の地では、毛皮をつけますが、それも不足しているので、体の大部分は露出しており、川で水浴をする」。